うつ病かな?と思ったら/健康/40歳からのライフスタイル、うつ病、ベックの抑うつ尺度、精神科の受診、診察料
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うつ病かな?と思ったら

私は、精神科のクリニックに勤め始めてから11年がたちました。
カルテの枚数も3,000を超え、数多くの患者さんと接してきました。仕事は受付と事務ですが、その経験から得た知識を少しでもお伝えできたらと思います。

ここでは、うつ病について書いていきますが、もし、「心の病気かな?」と思っている方は、早めに受診したいただきたいです。風邪も軽いうちに受診された方が、早く治りますよね。心の病気もそうだと思います。最近の精神科はオープンで明るいですよ。気軽にいらしてください。ただ、心の病気が増えているせいか、初診の予約をとるのが大変なんです。ですからよけいに、変だなと思ったら、すぐに予約の電話をいれましょう。 

  うつ病かな?と思ったら

どうも、最近、眠れない、疲れやすい、食欲、性欲がない、気持ちが落ち込む、イライラするなどの症状が出てきたら、うつ病かもしれません。

私の勤務するクリニックで医師が患者さんにとるアンケートのようなものに「ベックの抑うつ尺度」というものがあります。これで、ある程度の「うつ」の程度がわかりますので、チェックしてみてください。もちろん、正確な診断は医師にまかせるのが、ベストなので、「うつかもしれない。」と思われたら、医師による診断をおすすめします。

■ベックの抑うつ尺度

各組で当てはまる数字に○をつけてください。○の数字をたして、合計点数から判断します。

1 0 悲しいとは感じない
1 悲しいと感じる
2 いつも悲しくて元気になれない
3 とても悲しいため、耐えられない
12 0 他人に対する興味を失っていない
1 以前より他人に対する興味が減っている
2 他人に興味がほとんどない
3 他人に興味がまったくない
2 0 将来にとくに失望していない
1 将来に失望を感じる
2 将来に楽しみなことなど何もないと感じる
3 将来は絶望的で物事はよくならないと感じる
13 0 これまでどおりに物事を決めている
1 以前より決定を先に延ばす
2 前と比べると決定するのが難しい
3 もう何も決められない
3 0 自分が失敗者のようには感じない
1 平均的な人よりも失敗してきたと思う
2 自分の人生を振り返ると失敗だらけだ
3 自分は人間として完全な失敗者だ
14 0 以前と比べて自分の外見が悪いと思わない
1 自分が老けて見えたり魅力的でなく見えている  のではと心配している
2 見かけが変わって、魅力的なところがなくなって  しまったと思う
3 自分は醜いと信じている
4 0 今までと同じように物事から満足している
1 以前のように物事を楽しめない
2 何事からも本当の満足を得られない
3 あらゆることに不満を感じ、退屈している
15 0 以前と同じように働ける
1 何かを始めるのに特別の努力が必要
2 何かをするのに無理やりしなけれがならない
3 まったく仕事ができない
5 0 特に罪悪感は感じない
1 罪悪感を感じることが多い
2 ほとんどいつもかなりの罪悪感を感じる
3 いつも罪悪感を感じる
16 0 いつもと同じように眠れる
1 以前のように眠れない
2 いつもより1〜2時間早く目が覚めて寝つけない
3 数時間早く目覚めて眠りに戻れない
6 0 自分が罰を受けていると感じない
1 自分が罰を受けるかもしれないと感じる
2 自分が罰を受けるだろうと予測している
3 自分が罰を受けていると感じる
17 0 いつもより疲れることはない
1 以前より疲れやすい
2 ほとんど何をしても疲れる
3 とても疲れていて何もできない
7 0 自分自身に失望を感じていない
1 自分自身に失望している
2 自分自身にうんざりしている
3 自分自身を憎んでいる
18 0 いつもより食欲がないということはない
1 以前より食欲がない
2 食欲がとても落ちている
3 もうまったく食欲がない
8 0 他人と比べて自分が劣っていると思わない
1 自分の弱点や失敗のことで自分に批判的だ
2 自分の失敗のことで常に自分を責めている
3 悪いことが起こると自分のせいだと責める
19 0 体重はほとんど減っていない
1 2kg以上体重が減った
2 4kg以上体重が減った
3 6kg以上体重が減った
9 0 自殺したいという考えはまったくない
1 自殺したいと思うが実行しないと思う
2 自殺できればよいと思う
3 機会があれば自殺すると思う
20 0 健康を心配していない
1 痛み、便秘など身体を心配している
2 身体の問題をとても心配していて他のことがな   かなか考えられない
3 身体の問題をとても心配していて他のことが何  も考えられない
10 0 いつもと比べてよく泣くことはない
1 以前と比べると今はよく泣く
2 いつも泣いている
3 今は、泣きたくても泣けない
21 0 性欲はいつもとかわりない
1 以前より性欲が減退した
2 以前よりずっと性欲が減退した
3 完全に性欲がなくなった
11 0 イライラしていることはない
1 以前より簡単にイライラする
2 いつもイライラしている
3 以前イライラしたことに、まったくイライラしない

 
合計点数 「うつ」の程度
0〜9点 とくに問題はない
10〜15点 軽度の「うつ」
16〜19点 軽度ないし、中程度の「うつ」
20〜29点 中程度ないし、重度の「うつ」
30〜63点 重度の「うつ」

どんな結果が出ましたか?
何回も言いますが、「うつ」の症状がでていたら、正確な医師の診断を受けてください。精神科の受診が重荷でしたら、まず内科を受診されて、医師に相談してみてください。そして、医師から精神科、もしくは心療内科の受診をすすめられたら、ぜひ紹介状をいただいてください。なぜ、紹介状が必要かは、次に詳しく書きます。

  精神科の受診には紹介状が必要?

地方によって違うと思いますが、私の住んでいる地区では、精神科の予約がとりにくくなっています。予約をとる際に「紹介状はお持ちですか?」と尋ねられる事も多いと思います。他の専門の医師が、精神科の受診が必要だと判断した場合、私の勤めるクリニックでは早めに、緊急枠にお入れしています。ただ、医療機関によっては、予約の仕方が違いますので、医療機関に問い合わせてください。大学病院や大きな病院では、紹介状がないと受診できないことも多いので、かかりたい病院には事前に電話で問い合わせる必要があると思います。

それと、頭痛、腹痛、しびれなど原因がわからない場合に、心の問題から症状がでていることもあります。そのような時は、まず検査ができる医療機関で「身体には、異常がないから、精神的なものからきているかもしれない。」というような紹介状をいただくと、精神科での治療もスムーズにいくと思います。

精神科を受診しても、検査をする施設がない場合が多いので、他の医療機関で検査を受けるようにと医師から指示されることがあります。もし、検査もしてほしいと思われるなら、総合病院の中の精神科を受診されるか、検査ができる精神科を探すのをおすすめします。

  治療費はいくらぐらい?

だいたい、初診時では院外処方で2500円前後かかります。お薬が処方された場合はそれに薬代がかかります。
再診では、1500円前後です。(薬代は別)
経済的にこんなに負担できないと言う方には、公費の援助を受けて受診する制度もありますので、医師に相談してください。(すべての方が受けることができるわけではありません。)

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